少し冷静になれた瑞穂に今度はカッとなった小浜が大声を出す。
「逃げるなんて卑怯です!」
「違いますよ。今のは自動で閉じただけです」
そんな小浜をなだめるように有明が言った。
ひとまずずっとこの場にいるわけにはいかないので、エレベーターを降りて玄関口に立つ。
たった数歩のその移動中も小浜は有明と瑞穂が逃げないようにじっと見ていた。
「どういうことなの、瑞穂さん」
「え、えっと・・・」
どうして自分だけが責められるのだろうかと思ったが、小浜からしてみれば瑞穂は『有明の隠れファン』だ。
抜け駆けにしか見えないらしい。
しかし実際抜け駆けしようとしたのは小浜だ。
手元を見れば口実に有明に渡すはずだったであろう紙袋。
「この間お邪魔したお礼です」なんて言って距離を縮めるつもりだったのだろうか。
冷静にはなったものの言い訳なんて未だ思いつかずに言葉を詰まらせているとすかさず有明が言った。
「バレてしまっては無理に隠しておくわけにはいかないですね」
「!!」
(まっ、まさか・・・まさか先生言っちゃう・・・・・・?)
今度は驚いて有明の顔を見る。
小浜も同じように「まさか」という顔をして有明を見つめた。
「か、隠すって・・・・・・」
「はい。
学校ではいろいろ言われてしまうのが嫌で黙っていましたが、僕と瑞穂さんは同じマンションなんです」
「え・・・
は・・・・・・?」
すぐに理解できずにいる小浜に対して有明はひょうひょうとした顔をしている。
「逃げるなんて卑怯です!」
「違いますよ。今のは自動で閉じただけです」
そんな小浜をなだめるように有明が言った。
ひとまずずっとこの場にいるわけにはいかないので、エレベーターを降りて玄関口に立つ。
たった数歩のその移動中も小浜は有明と瑞穂が逃げないようにじっと見ていた。
「どういうことなの、瑞穂さん」
「え、えっと・・・」
どうして自分だけが責められるのだろうかと思ったが、小浜からしてみれば瑞穂は『有明の隠れファン』だ。
抜け駆けにしか見えないらしい。
しかし実際抜け駆けしようとしたのは小浜だ。
手元を見れば口実に有明に渡すはずだったであろう紙袋。
「この間お邪魔したお礼です」なんて言って距離を縮めるつもりだったのだろうか。
冷静にはなったものの言い訳なんて未だ思いつかずに言葉を詰まらせているとすかさず有明が言った。
「バレてしまっては無理に隠しておくわけにはいかないですね」
「!!」
(まっ、まさか・・・まさか先生言っちゃう・・・・・・?)
今度は驚いて有明の顔を見る。
小浜も同じように「まさか」という顔をして有明を見つめた。
「か、隠すって・・・・・・」
「はい。
学校ではいろいろ言われてしまうのが嫌で黙っていましたが、僕と瑞穂さんは同じマンションなんです」
「え・・・
は・・・・・・?」
すぐに理解できずにいる小浜に対して有明はひょうひょうとした顔をしている。
