「そういえばさー、この間の有馬さんのバイト先で食べた牛タンすっごいおいしかっ」

「牛タンンンンンンンン??」





「・・・・・・どうしたの瑞穂」


突然の深江の牛タン話に瑞穂は飲んでいたパックジュースを噴出した。

目の前に座っていた布津の顔はフルーツオレでびしゃびしゃだ。


「牛タンー!て何だよ、牛タンーって!」

「スンマセン・・・スンマセン・・・。
うわ、牛乳くさっ」

「おまえのせいだろうが!」


布津の顔を持っていたハンドタオルで拭けばタオルまで臭い。



「で、そのお店なんだけど、昼間は開いてないの?」

「3時から開いてるよー。深江、気に入ってくれたんだ」

「うん、また行きたいなーと思って。
ねえ、来週日曜また一緒に行かない?」


「あっ!ごめん、私その日は・・・」


瑞穂は慌てて手を上げた。






日曜日は、先週駄目になった有明とのデートの日だ。