次の日――



事情を知っている瑞穂に二人は成り行きを話した。

付き合い始めたわけではないのに少しだけ恥ずかしい。
以前嘘で『私達付き合うことになりました!』なんてやった時は何も思わなかったのに。



「そっか、よかったあ!」

瑞穂は手を合わせて喜んだ。


「晴ちゃんごめんね。ずっと心配してくれてたから・・・」

「そうだぞ!瑞穂すっげー心配してたんだからな!」


布津が深江を小突く。
その姿を瑞穂は真顔で見つめた。


「・・・・・・な、なんか・・・」

「・・・?どうした瑞穂」

「えー・・・・・・なんだろ。なんか・・・・・・」

「晴ちゃん?」


瑞穂の煮え切らない言葉に二人は顔を合わせて首をかしげた。

その姿を見て更に瑞穂は唸る。



「えーー・・・付き合うって聞いた時は何も思わなかったのに・・・」

「え・・・何もって?」



瑞穂は言いづらそうに、それでも正直に口を開いた。




「な、なんか・・・・・・妬く・・・・・・」


「!!」


「え?」




驚く二人に更に瑞穂は頭を抱えて唸りだす。


「おっ、ちょおっ!深江!瑞穂がヤキモチだってぇ!!俺に!俺に!!」

「えー・・・なんだろうこの気持ちー・・・」


喜ぶ布津と悩む瑞穂。その対照的な姿に深江は思わず笑う。



「結ちゃんと布津が仲良くなるのは嬉しいんだけど・・・なんだろう・・・

と、取らないで・・・みたいな・・・」


「!」



「っあーーー!ごめん!
なんか私ヤな奴だ!忘れて!嘘だから!」


「ちょっ聞いた?!深江ー!!」



騒ぐ二人を他所に深江はポンと手を打って一人納得する。


「晴ちゃん」

「ん?」

「布津君の『親友』は晴ちゃんだから安心してね」

「え・・・」


初めは言葉の意味がわからない瑞穂だったがだんだんと理解するにつれて顔が赤くなる。