「あはは、レモン美味しかった! ありがと!」
デートみたいなひと時にあなたは幸せでした。
教室だと周りを気にしてあんまり喋られなかったあなたでしたが、
ここには囃し立てる面子が居ませんから、非常にのびのびとできました。
その様子はとくに胸キュンポイントもなかったですから省いたんですけどね。
くどくなりますが、これは大人に向けた雪辱な友情物語であって、ティーンが大好きな甘いラブストーリーではないためです。
「よし寺岡、契約成立な?」
にっこりと天使のように微笑むトクト王子様にあなたは首を傾げました。
計算ではなく、不思議だったから上目遣いをしただけです。本当に。絶対に本当です。



