「そっか。ランキング一位の歌良かったよー、友達の歌でー普通に泣きそうだったから!」

「泣ける歌なんだー」

「うん。泣けたよー涙垂れ流し!」

「涙なんだー」

「うん。」


あなたは難しそうな顔をし、「モギリンってさー」と、茂木凜に真面目な話をしようとした時です。


「てらおかー、宿題見せろ!」

あなたの隣の席の男子に名を呼ばれました。

「えー?」

活発なタイプでムードメーカー的存在のギャグ王子を、あなたはちょっぴり良いなと思っていました。

まだ恋や片思いではなく、気になるくらいの人です。

なんとなく意識して授業中に眺めたり、体育の時は目で追っていたり、あなたにとって彼はなんとなく瞳を奪う存在でした。