「せんせーい!ちょっとぉ!!」

今は教室の前です。

時間は大きく遅れ、ホームルーム中に教室入りということに。

その前に、先生に言おう、と言うことになり先生を廊下に呼び出した。

楓が先生を呼び出すときの声に続き、女子達の黄色い声が上がった。


「「「キャァ――――!!」」」

「「「楓様ぁ――――!!!!!!」」」

み、耳が痛い・・・・。
凄い・・・・。
やっぱり、この人気は・・・・恐ろしいものがある。

先生は女の20代半ばぐらいの人。
若い教師なのに、ちょっと、ぶりっ子のようなところがあるような先生。
私は、ちょっと苦手かも・・・。
しかも、先生、この楓の声援に顔も歪めずに慣れたように素通りする。
やっぱり、この学校の人・・・・おかしいんじゃない?

「如月さんね。校長先生から聞いてるわ。さっ、君島君と一ノ瀬君は教室に入ってなさい」

ニッコリと楓と直輝に笑顔を向けて教室に入れると、またもや黄色い声が。
その中から、「おはよう」と言う、楓と直輝の声。

先生は、私に「合図するから、そのときに教室に入っていらっしゃい」と言うと、教室に入って行った。

どうしよう・・・・。
今頃になって緊張してきた・・・・。
ど~しよう!?
心臓飛び出しそう!!

そうすると、今日室から先生の声。

「今日は転校生がいます。入ってらっしゃい」


――――ガラッ

勢い良く教室のドアを開け、ピシャッと閉める。
緊張のし過ぎか、体が思うように動かない。
そして、先生の隣に立ち、ゆっくりと顔を上げた。