君がいたから






気がつくと私の頬に温かいなにかが伝っていた。





それが涙だと気づくのに時間はかからなかった。





「じゃあ俺は部屋に戻るけど風邪ひかないようにしとけよっ」





そう言って立ち上がり、歩きだす彼。





『……って』





「ん?」





『待って……っ』





葉月はとっさに彼の服を掴む。





「なっ…、どうした!!?」