長かった冬が終わり、 春が訪れる。 気温も暖かくなり始めた頃、俺が住んでいる施設に二人の姉妹が入ってきた。 『鈴原千秋です』 その少女は胸下くらいの真っ黒い髪の毛で、クリッとした大きい目をしていた。 だけどその目は、まるで光が無いようで 何て言ったらいいんだろう、 今にも涙が溢れ落ちそうなくらい どこか悲しい目をしていた。