階段の下に着くと、まだ涼ちゃんは来ていなかった。
……。
1人でいるの…怖いな…。
そんな事を思っていると、後ろから足音がした。
涼ちゃんかと思って振りかえると、同じクラスの有馬走一くんがいた。
「涼介じゃなくて、がっかりした?」
ふいにそう聞かれて、ちょっとビックリした。
「えっ…。そ、そんなことはないけど…」
「そう?なら良いんだけど。涼介に頼まれたんだ。水原1人だと危ないからって」
涼ちゃんがそんなこと…??
有馬くん、よっぽど信頼されてるんだなぁ。
「中原がそんなこと??私は大丈夫だから、有馬くん帰っていいよ??」
今の、帰れって聞こえたかな…?
もし本当に帰っちゃったら、1人になっちゃうよね…。
でも、有馬くんだって用事とかあるだろうし…。
ここは我慢しないと。
「大丈夫じゃなさそうだけど。震えてるし」
「えっ…?震えてなんか…ないよ」
「強がると、自分を苦しめるぞ?」

