☆初恋☆



階段の下に着くと、まだ涼ちゃんは来ていなかった。

……。

1人でいるの…怖いな…。

そんな事を思っていると、後ろから足音がした。

涼ちゃんかと思って振りかえると、同じクラスの有馬走一くんがいた。

「涼介じゃなくて、がっかりした?」

ふいにそう聞かれて、ちょっとビックリした。

「えっ…。そ、そんなことはないけど…」

「そう?なら良いんだけど。涼介に頼まれたんだ。水原1人だと危ないからって」

涼ちゃんがそんなこと…??

有馬くん、よっぽど信頼されてるんだなぁ。

「中原がそんなこと??私は大丈夫だから、有馬くん帰っていいよ??」

今の、帰れって聞こえたかな…?

もし本当に帰っちゃったら、1人になっちゃうよね…。

でも、有馬くんだって用事とかあるだろうし…。

ここは我慢しないと。

「大丈夫じゃなさそうだけど。震えてるし」

「えっ…?震えてなんか…ないよ」

「強がると、自分を苦しめるぞ?」