Magic Rose-紅い薔薇の少女-



鳥の囀ずり、“オハヨウ”そう言ってる。
もう朝なのね、起きなくちゃ……。

「んー!鳥さんおはよう」

伸びをしながら挨拶を返す。


「ああ!今日は市場に行く日だわ!」

今日は緩く三編み、鏡で念入りにチェック。

なんたって初めて森の外に出れるんだから!

「おば様ぁ!」

勢いよく扉を開ける。

「もう行くのかい?」

「ええ」

おば様は私に手を向けた。

「目を開いて、色を変えよう。
名前を聞かれてもしらばっくれるんだよ」

「勿論よ」

「デューク家の一人娘レディ・デュークとして楽しんで来るんだぞ」

おば様は私の目の色を変えると、にこやかに手を振った。

「行って参ります!」

ルンルン気分で今にも飛んでいきそうな私と、
至って冷静いつも通り、見てるだけでテンションが落ちそうなシャルディと市場へ向かった。