「大変だ。早く帰ろう」
「え……」
「何かあってからじゃ困る!こんな雨の日にはジメッとした所が好みの魔獣だって出てくるんだぞ。送る、さぁ早く!」
「ま、待って!」
まだ、まだ後一人……いや一匹戻ってきてないんだから。
「シャルディがまだよ!」
「アイツは大丈夫だ」
「でも家族なのよ!?見捨てろって言うの?」
「違う。
アイツは使い魔だ。しかもかなり強い。
だから大丈夫だ」
「それでも……」
戻ってきたシャルディが私がいなくなっていて心配するんじゃ……。
シルバーは私のそんな考えを見透かしたようで。
「シャルディには既に知らせてある」
なんだ……それなら。
突然茂みの中から唸り声が聞こえた。
「しまった!急ぐぞ!」
私はシルバーに手を引かれ、家まで走った。

