―第七章‐狐の村―

「千里!?はっ、響堵様も!!」

門番であろうものたちが突然の来訪者と帰還者に驚く。

無理もない。

「番人様と兄ちゃんが怪我をしてる!
急いでおばば様の所へ!!」

おばば、様?
名前からして絶対偉い。

俺は背負っていたローズを門番が急いで呼んだ村の者に頼んだ。

「シルバー様、私達も行きましょう!!」

緊迫した空気。

千里に付いて行く、そして千里が中に入ったところは多分この村一大きいであろう屋敷。

きっとここが“おばば様”の住んでいる場所。

じゃなきゃこんな立派な筈ない。

「おばば様!」

そう言って千里は誰かに抱きついた。

「落ち着きなされ」

「はい……」

「シルバー殿」

その人は、九尾だった。
尻尾が九本。本物だ。

しかし、彼女はヒトガタ。
随分と年老いている女性だった。

威圧感が半端ない。