「いいの?」

そう言うだけで精一杯だった。

だって振り返った春斗の顔は真っ赤になっていて、今までほとんど目を合わせてくれなかったのにじっと見つめてくれたから。

溢れてくる涙を両手で拭きながら

「いいよ。」

と、もう一度優しく言ってくれた春斗に

「ありがと」

って伝えた。

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やっと思いが通じた夏、少しだけ春斗に近づけた気がして嬉しかったよ。

真っ赤になった春斗が可愛くて。
真剣に見つめてくれた春斗がかっこよくて。

私は14歳の夏に、好きな人に想いが通じる幸せを感じた。

そして初めて幸せを感じて泣いた。