キミに捧げる初雪

病室に入ると、ベッドに女の子が寝ていた。



ナガセユキコだ。



呼吸が弱まっている。



この肉体は、間もなく抜け殻になる。



魂が、さまよわないようにしてやらなければ。



「おいで」



オレはナガセユキコの体の中にいる、魂に呼びかけた。