キミに捧げる初雪

「魂を預かる。新たに適合する肉体が現れるまで、休ませるんだ。肉体から魂が離れるときにさまよわないように誘導するのがオレの役目だ」



「新たな…肉体…?」



黒猫を撫でていた、ナガセユキコの手が止まる。



「魂は消える訳じゃない。ダメになった肉体から離れるだけだ。適合する肉体があれば、また別のものとして蘇る」



オレは、黒猫をちらりと盗み見して続けた。



「悪魔に魂を売ったら、そこで終わり。そして成仏できずに、永遠にさまよい続けることになる。」