キミに捧げる初雪

黒猫を見つめ、母親は確信した。





息子が生まれたのも、初雪が降った日だったから。




手を伸ばして、手のひらで雪を受け止める。



切ないような、優しい甘い気持ちになる。



「積もるかな?」



男の子が同じように、手のひらに雪を受け止める。



「そうね、雪だるまくらい作れるかもね」