「悪い悪い!ほら、鞄のっけないのか?」


秋は私に手を出し、それを見てさりげなく自分の鞄を差し出す


秋はいつもこうして、自転車の鞄の中に私の鞄を入れてくれる


それは付き合った当時からそうで、今も変わらずそうしてくれるのだ



「有り難う」


「いーえ、それでさゆや」


「んー?」


自転車を押しながら私を見て口を開く


「明日、土曜日だろ?」


「うん」


「それで、急に決まったんだけど、サッカーの大会近いから短期合宿で明日から来週の木曜日まで県外の方に行かなくちゃいけなくなってさ」



…え!?


突然の話しに秋を見ると彼は更に言葉を続ける




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