「遅い、待ちくたびれた」 「……」 ポケットに手をいれながら時計を見てため息 なんてタイミングが悪いんだろう あんな事、聞いたあとだから…彼のことを見る事が出来ないし、何か話すことも出来ない 「…………」 「ゆや?」 返事をしなくちゃいけないのに… 彼を見ると泣いてしまいそうで…見る事が出来なくて… もういらない、なんて言われるのが怖くて… 「………」 黒崎くんに背中を向けて教室を出て行こうとすると―… 「おい…!」 腕を捕まれて、私の脚が止まる .