「気をつけて…ね」


「わかってる」


彼の背中を見ながら、私も靴をはいて黒崎くんを追いかけた


「ゆや、ここでいいから」


「あ、でも…」


「いいから、早く中に入れ。じゃなきゃ俺が家に帰れない」


「…あ……ぅ…ん」



せめて見えなくなるまで、見送りたかったんだけどダメか…



黒崎くんに促されるまま家に入ると、軽く手をふってから彼は歩いていく



「………」


そんな後ろ姿を切なくて、玄関からずっと彼を見ていると



不意に黒崎くんも振り返り、軽く微笑んでからまた歩き出す



「……」



そんな何気ない仕草に胸が高鳴る自分はおかしい



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