寒さに気付きふと目を覚ますと、着ていたコートもはいていたブーツもセーターもスカートも下着も何もかもを脱がされた状態で、白いシーツの掛けられたベットに腕と足が固定された状態だった。

「…お目覚めかな?お嬢さん」

主人の男が暗がりの部屋の何処かから声を掛けてきた。自分自身に何が起きているのかさっぱり判らず両手と両足をバタつかせた。

「落ち着いてお嬢さん」
「これは何?クリスは?クリスたちを呼びに行ってくれたんでしょう?!」
「あぁ、お友達なら、ほら…そこに居るよ」

主人の指が指す方向を見てみると、クリスのものではない綺麗なドレスを着た真っ白なクリスが座っていた。

「クリス…?クリス!ねぇ、返事をして!クリス!!」
「お友達は眠っているよ。もう…起きない」
「…どういう意味…?」
「お友達はね、私の大事なものを壊したんだよ。だから、罰を受けてもらったんだ。」

もう、起きることの出来ない罰を受けなくてはいけないほど、クリスは一体どんなものを壊したのか、私にはわからなかった。