それから、おやつを食べて、お庭でお花の冠を作ってお祖母ちゃんに乗せて、お母さんの作った晩御飯を食べた。
皆でテーブルを囲んでいると玄関からノック音が聞こえてお母さんが出た。


「あのっ!クリスとリリーは遊びに来てませんか?!」


クリスのお母さんが真っ青な顔で立っていた。


「まだ帰ってこないんです!私、どうしたらいいかわからなくて…」
「帰って無い…?けど今日は来てないわ?ねぇ、メリー?あなた、今日クリスちゃんと遊んだ?」
「あ、遊んで無いよ!」
「そう…今までこんなこと無かったから…リリーと一緒に出かけたみたいなんだけど、二人とも帰ってこなくて」



私はお祖母ちゃんの話を思い出した。
吸血鬼よりも、フランケンシュタインよりももっと怖いものがいると言っていた。
もしかしたら、その怖いものに二人は捕まっているのかもしれない。
クリスのお母さんが帰ってから、部屋に入って、皆が眠るのを待った。

今、二人を助けることが出来るのは私だけだからだ。
クリスには口止めされてて誰にも言えない。だったら私が助けに行けば良いんだと思った。
本当はとても怖い。一体なにが2人を返してくれないのかお祖母ちゃんの話では想像が出来ない。

しばらくして皆が眠って静かになってから「お祖母ちゃん、ごめんなさい」と書いた紙をテーブルの上に置いてそっと家を出た。