「メリー!」



近所に住んでいる同い年のクリスが大きく手を振っている。
クリスはとても元気な女の子でいつも一緒になっていろんなところを走り回っている一番大事なお友達。
そのクリスの後ろには、内気でいつもクリスの後ろに隠れるようにしている妹のリリー。



「どうしたの、クリス」


クリスの居た場所まで走ってみるとクリスは小さく屈んでそばにあった垣根の影に隠れた。
習うようにその場にしゃがみこんでクリスの目を見た。

「メリー、昨日あのお屋敷でかくれんぼしたでしょ?」
「うん」
「その時にね、ママから借りていたペンダントを落としちゃったみたいなの。ねぇ、一緒に探してくれる?」



ついさっき、お祖母ちゃんから行ってはいけないと約束をしてしまったことを思い出して少し考えた。



「さっき、お祖母ちゃんから言われたの。お屋敷には行っちゃ駄目だ、って」
「そう…だったらリリーと行くわ。メリー絶対このことは言わないでね?」


クリスはそう言ってから、立ち上がってリリーを連れて行ってしまった。