「じゃあ掃除しますね!!」



「おぉ、ピッカピカに頼むな☆」



「え、先生もするんですよ!?」



「まじで…?」



「はい、まじです♪」



それから私たちは掃除を始めた




「先生、あそこ拭いてください!!」


「はいよ。」



先生は私が小さいとからかうように頭をポンポンと叩いて笑っていた




今日のことはきっと私は忘れないだろうな


幸せだよ、ほんとに




「夏川?なにぼーっとしてんの!?」




「えっ、なんでもないです!!」



先生に顔が見られないように反対側を向いた



すると後ろからフワッと先生の匂いがした



「なに1人で赤くなってんの?」


イタズラっぽく耳元で囁く


「………なってないです。」


俯いてその場から逃げようと一歩足を進めた



「じゃあこっち向いて♪」



手を引かれてバランスを崩した私は先生の方へおもいきり倒れこんだ



先生の顔が、近い…




「やっぱ顔赤いじゃん♪」


ニヤニヤしながら顔を覗きこまれた


先生の顔はかっこいいわけではない


でもメガネ越しの目はいつも優しく笑っている


頼りないけど、でもやっぱり私よりもずっと大人で


きっとそこが好きなんだろうな