「あ…、ごめん。」


「落ち着いた?」


「うん」


私は弘樹くんの手を引いて校舎から出た









しばらくは2人とも黙って歩いた



「なんでって言ったよね?」


「え、うん。」


「わからないけど私、先生の辛そうな顔もう見たくないから…」



弘樹くんは私の方をまっすぐ見ていた


「答えになってないかな?」


「いや、俺きっと先生には適わない」


「えっ!?」


「いいよ、それで。」


フワッと風が吹いた


暖かい風…


「俺、諦めるわけじゃないから」


そっと風で揺れた私の髪を直すように優しく撫でる弘樹くん



「ありがとう」


自然と涙が出た


「早く泣き止んでくださいよ。まるで俺がいじめてるみたいですから。」


そう言いながらも声がとても優しかった










しばらく私は弘樹くんに慰められながら気持ちを整理した













「もういいんですか?」


「うん、ありがとね」



そう笑って言うと弘樹くんも笑ってくれた




「私たぶん、先生のこと好きだね…。」




「たぶんじゃないでしょ?」





「…………うん、好き。」




「じゃあいつかは伝えないとなぁ♪」



そう言って笑っていた弘樹くんはすごくかっこよかった


モテるはずだわ…