しばらく回っていると会場の照明が落ちた


「え、停電?」


「陽向、手!!」


「え?わっ!!」


聡太君の声がして手を掴もうとすると反対側に腕を引っ張られてそのままどこかへ連れて行かれた



すると突然明るところに出て思わず目をつぶった



「陽向ちゃん?」


目をつぶっていると幸奈の優しい声がしてゆっくりを目を開けると幸奈の顔が見えた


「あれ?」


「ごめんねいきなり引っ張って。」


幸奈は申し訳なさそうにこちらを見てきた



「いいよ。それよりここ…。」


「あぁ、それは私が説明しようかね。」


その声は後ろから聞こえた


「おばあちゃん?」


後ろに居たのはまぎれもなくおばあちゃんだった


「なんでって顔してるねぇ、陽向ちゃん。」


おばあちゃんは優しく笑いながら私の目の前に来た


「実はここの理事長の奥さんが陽向の言ってたおばあちゃんだったの。」


美咲が奥から出てきておばあちゃんの横に来た


「ちょっと美咲ちゃんと幸奈ちゃんに手伝ってもらったんだ。」


「え、手伝ってもらった?」


「さぁ、陽向こっち来て!?」


美咲がそう言って手を引くと幸奈がカーテンを開けた



するとそこには1着のドレスが用意されていた



「これは?」


「陽向ちゃん、これを着てくれるかい?」


目の前にあるドレスはきれいなレース使いの純白のドレスだった


「これって…。」


「まだ早いと思うけどウエディングドレスだよ。」


「えっ!!」


おばあちゃんが理事長の奥さんだったり、目の前のウエディングドレスを着ろと言われたり、頭の中がごちゃごちゃでよく理解できなかった