「今から短距離走みたいだね~。」
「聡太君足速いから勝ちますよね?」
「うん多分ね。1位の人は長距離が得意だから短距離は苦手だと思うけど。勝ったとしても同点かな?」
「でも同点なら追加点を出せば勝てます!!」
「陽向ちゃんって見かけによらず熱いねぇ(笑)」
「そうですか?」
「あ、走り始めた!!」
走っている聡太君はいつもどこかぼーっとしているような感じなのにそれすら感じさせないほどかっこよかった
並んで走っている人たちの横を1人、また1人と次々に追い越して一番最初にリボンを切った
「勝った…。」
「これで同点♪」
呆気にとられている私の横で宮内さんはのんきにグランドを眺めていた
「じゃあ俺はそろそろ帰ろうかな~♪」
「え、もう帰るんですか?」
「うん、じゃないと聡太に怒られちゃうからね♪」
「なんで?」
「ん~、陽向ちゃんにひっついてたから?(笑)」
「それだけで?」
「そりゃ陽向ちゃんは聡太の宝物だからねぇ♪」
「宝物?」
「ま、そのうちわかるよ!!じゃね♪」
そう言って手を振って宮内さんは去って行った
「なに?宝物って…。」
最近聡太君を見ているとつい先生と重ねてみてしまう
仕草とかが似てるからなのかな?
あと少しだけど、とっても長く感じてしまう
早く先生といっぱい話したいよ


