「それより、なんか悪かったな迷惑かけて。」


「え?」


「克則さんのこと。」


「あぁ、浮気だと思ってたけど早苗さんはその気なんてなさそうだしもういいの。」


「でも、」


「それになんか今日楽しかったから♪」


「え?」


「久々にこんなに言い合える人に会った(笑)」


「お前友達いないのか?」


「いるけど、まぁいろいろあるの!!」


「なんだよ。」


「秘密~(笑)」


「そういや、彼氏とかいんの?」


「いないよ?」


「ふ~ん。」


「あ、今もしかして寂しい奴とか思った?(笑)」


「思ってね~よ。ってか家こっちでいいの?」


「え?あってるよ。」





私と聡太君はそれからなんとなく話した


家のこと、友達のこと、部活のこと


話題はなぜか尽きなかった



「そうだ、アド教えて?」


「あぁ、そっか友達になったんだもんね?」


「確認してなるもんじゃないけどね…。」


「そうですね~」


「ふざけてんの?」


「そうですね~」


「早く携帯出せよ」


「そうですね~」


「いい加減にしろ!!」


怒りながらもやっぱり本気で怒ってない事は表情を見ればすぐに分かった


きっと早苗さんに対してはどうすればいいのかわからないだけでほんとはすごくいい人なんだ






「はい、携帯。」


「最初っからすぐに出せ」


「……はい。」



アドレスを交換し終えると聡太君はまた歩き出したので私もついて歩いた



「あ、もう近いからいいよ。ここまで送ってくれてありがとう。」


「あぁ。」


「あ、早苗さんに父に一度帰ってきてと伝えてほしいのと、もしよかったらうちの母に直接説明してほしいって伝えといて!!」


「わかった。じゃあまたな!!」


「うん、帰り気をつけてね!!」


「あぁ。」



聡太君は軽く返事をすると自転車に乗って交差点を曲がって行った