「うわ、雪村…。じゃあね!!」


そう言ってさっきまでいた部員の人はどこかへ行ってしまった



「あの~。」


「誰かって聞いてんだ。」


「…夏川陽向です。夏川克則の娘です。」


「克則さんの…。俺になんか用か?」


「いえ、お母さんが聡太君を呼んできてと…。」


「そんでのこのこと来たわけ?」


「……はい。」


「んで、克則さんの娘がなんでここに来てんの?」


「お母さんに連れて来られました…。」


「なんで?」


「聡太君がひねくれてるから友達になってほしいと言われて…。」


「はぁ!?ひねくれてねーし!!」


「私に言われても…。」


「別に友達なんかいらねーからさっさと帰れ。」


「聡太君って綺麗な顔してるんだね~、お母さん譲り?」


「はっ?」


私がつい思っていたことを場違いにも言ってしまい聡太君は固まってしまった



「……ごめんなさい。」


私がそう謝って俯いているとそっと手が私の頭の上に乗った




「…聡太君?」


「俺、女には慣れてねーんだ。だから、どうしていいかわかんねぇことすんな。」


私が顔を上げると聡太君は少し困りながらも私を気にかけてくれた


「聡太君って優しいんだね。変な人だったら断ろうと思ったけど、友達になって?」


「はぁ~?」


「だめ?」


「いや、別にダメとかじゃないけど。」


「んじゃ友達ね♪」


「なんでそこまで。」


「うちの母さんが悲しむから。」


「は?」


「気にしてないようで、ほんとはすごく心配になるような人なの。うちの母親は(笑)」


「つまり、父親奪還のためってか?」


「せいか~い!!」


「部活終わるまで待っとけ。その話に乗ってやる。」


そう言って聡太君は部活に戻って行った