~陽向~
「陽向、知ってる?最近河野先生変わったらしいよ」
「変わった?」
「うん、前はいつもニコニコしとったのに今はたまにしか笑わんって!!」
「それでいいんじゃない?ほんとの先生らしいよ。」
「そうなん?」
「ほんとの先生は意地悪でちょっと自分勝手だけど、すっごく優しくて………」
先生のことを思い出していると自然と幸せな気分になって涙が出そうだった
「まだ、好きなんだね。」
「バカだよね、早く忘れたらいいのに………。」
「ほんとだよ。俺が忘れさせてあげるよ?」
美咲と話していると後ろから優しく囁かれ驚いて振り向いた
「弘樹くん……。」
振り向くと弘樹君が笑いながら私の後ろに立っていた
「まだ俺待ってるんだけど?」
「え、本気で?」
「本気で♪」
無邪気に笑う姿は前と一緒だった
「ほら先輩困っとるでしょ!?」
「うわっ、ついてくんなよ!!」
「あ、茜ちゃん久しぶり」
「お久しぶりです。やっと先輩と話せそうだったんで来ちゃいました♪」
「ごめんね。」
少し申し訳なくなって俯くと弘樹君の手が私の頭の上にのった
「謝んないで。俺らどうしていいかわかんないから。」
優しくなだめるように頭をなでてくれた
「先輩、またいろいろ話しましょうね!!」
「うん、ありがとう。」
このときはすっごく嬉しくて涙をこらえられなかった
でも、流したくない涙ではなかった


