「夏川、朝だぞ…。」



まだ眩しくて目が開けられなかったけど、声でわかった



先生…


でも、少し元気がない


私が元気出させてあげなきゃ!!




起きろ、私!!




そう強く思いながら瞼をこじ開ける










「先生……。」









だんだん目がなれてきて目の前の人の顔がハッキリ見えた




その顔はとても驚いていて言葉も出てこないようだった








「夏川……。やっと。」




口を開いたと思った次の瞬間には私の視界は真っ暗で懐かしい香りがした





私の

大好きな香り

大好きな温もり






なぜだか自然と涙が溢れた





もうこの感覚は感じられないと思っていた






忘れなければならないのに忘れられなかった







とても、とても長い間待っている気分だった





「先生、どしたん?」


先生はいつまで経っても離そうとしなかった



「待ってた、ずっと」



ただそれだけ言うとまた黙ってしまった



「待ってたって、私・・・。今日って?」


「夏川が倒れてから5日経った。」


「私そんなに・・・。」




周りを見ると花瓶にはきれいな花、

つくえの上にはきれいに包装された箱や袋が並んでいた




「なぁ、少し話したいんだけど」



「あ、はい」



「夏川は俺のこと好きか?」



「え、なんですか?いきなり……」



「大事なことなんだ。」


先生はとても真剣な目で真っ直ぐこちらをみた


「俺は、好きだ。」