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「え、別れるっ!?」

「私も良く分からなくて・・・急に言われたから」

「ちょ・・・それって絶対なにかまた南朋さんが変な取引したんだってっ!!」

もう、なにがなんだか・・・
イキナリこんな別れ話、しかも簡単に南朋に一馬を取られちゃうなんて・・・

「どうしよう・・・」

本当になにも考えられない。
どうしよう、どうしよう、どうしよう。

いつも隣には一馬がいたから、一人になると何も出来ない。
ただただ私の心臓はいやに加速するだけで。

何一つとして良い案が思い浮かばない。

「・・・蓮くん」

「ん?」

「ちょっと・・・もう帰っていいかなぁ・・・?」

「え・・・」

「少し休みたいんだ、もしかすると明日学校にはいかないかも」

そういうと梓ちゃんはゆっくり立ち上がり、玄関の方へと歩いていった。
すごく後姿が悲しそうだ。

「じゃあ、おじゃましました」

「あ、うん・・・」

そのまま僕は梓ちゃんを引き止めず、なにもしないままでいた。
今の僕では梓ちゃんを慰めるのは無理だと思った。

ただただ僕はうっすらと消えてゆく背中を見つめている。



「・・・」








こんな気持ちは初めてだ。