「てめぇ、女だからって容赦しねぇぞっ!!」

「別に、容赦してくれなんて一言も頼んでませんし」

「このアマッ!!」

私はなんなく重そうな拳をかわした、この人なんだか遅いなぁ。
様乃の攻撃と比べたら話にならない、そういや様乃のはマジで痛いんだっけ。


 小指心
  喧嘩上等


「先輩、意外と強いかと思えば弱いですね。そんなんだから後輩にキャプテンを取られちゃうんですよ」

「言わせておけばっ!!」


ヒュッ


また拳が飛んできた。
そろそろ私も反撃したい、拳をかわしてさっそく先輩の腹に蹴りをいれてやった。

「うぐっ・・・!」

「あ、弱かったですかね」

私は横をチラッと見た。
一馬は片っ端から歯向かうヤツらを叩きのめしているっぽい。

はぁ〜・・・戦う後ろ姿ってのもカッコイイね(馬鹿)

「・・・おい、よそ見してて良いのかよ」

「別によそ見してても攻撃できますし、はい」

「っち。うるせーな、まぁ・・・ほざくのも良いが、後ろに気をつけなっ!」


「え?」


「梓っ!!」

まぁ、分かっていた事なんだけど。
あえて分かんないふりをした、多分一馬もこの演技を見切っているは―――――


ドンッ


「ぎょわっ!」

「って!」

一馬は私から後ろのヤツの攻撃を受けないために、私を押した。
まぁ、おかげで怪我は一つも出来ていない。

けど、一馬は?

「あてててて・・・」

「うわ、一馬。膝っ!血ぃ出てるっ!」

「あぁ、かすり傷できちゃったな」

いやいや、出来ちゃったなってオイ!!