私は携帯を開いた、相変わらず壁紙は変わらない。
なんで南朋からメールが来ないといけないんだ。

―――――――――――
件名 
―――――――――――

南朋です。
私のメアドだから、一応教えとくね。
『もし』メールしたかったら、いつでもメール待ってるよ(笑)
アドレス帳に登録、よろしくー。
では。
PS メアドは一馬から聞きました。

―――――――――――

途中の(笑)はなんだよ。


『メアドは一馬から聞きました。』


・・・まだ一馬は今の状況を知らないんだ。
電話しなきゃ。

私はアドレス帳からか行を見並べた、あ、あった。
私は通話ボタンを押そうとした。

「・・・」

待て、これを言ってもどうなる?
心配はしてくれると思うけど、それはダメ。
南朋にケンカ売って状況を悪化させるだけだ、そんなの意味がない。

さっきまで蓮くんとの作戦が水の泡になる。

「・・・はぁ」

私は携帯を閉め、充電器に繋げた。
一馬には悪いけど・・・このことはまだ秘密にしておこおう。

あぁー、自分の彼氏に秘密を持つなんて思いもしなかった。
いつでもオープンな私だから絶対そんなのあるわけないと確信してたのに。

んー、やましいってこうことを言うんかね。

「寝よ・・・」

私はクローゼットからお気に入りのパジャマを取り出し、着替えた。
制服はそのままハンガーには掛けず、ほっぽらかし。

たまにはこういうのもさせてくれ・・・

しばらくはストレスがたまる日々を送る事になるのかなー・・・
たった二人の転校だけで、180度人生が変わるなんてねぇ。

「明日は体育か、ランニング嫌だな・・・」

私はテーブルのライトを消して天井を見上げた。

良く小説とかで言うけどさ、星の数だけ恋をするって。
結構それって当たってるのかもしれない。

別に一人が星の数だけ異性に恋するって意味じゃなくて。
沢山の人が恋をして、失恋して、いろいろな体験をしてさ。

涙を流して、張り裂けそうな思いをして。
でもその中にも笑顔を忘れずに生きてゆく、強い人生。

ホント、様乃の言う通り。
『未来は予測不可能』だね。