私は走って家まで行った。
今のはなんだ、心臓が破裂しそうな気持ちだ。
こんな気分、初めてでどうしたら止まるか見当もつかない。

今のは、本当になんだったんだ。



  10分前―――――



「で、話っていうのは?」

腰に手を置き、思いっきり苛立ちのオーラを噴出させた。
これで下手なことはなにも言えまい。

「そう、その事なんだけどね」

いやに緊張と冷や汗をかいている、マジで帰りたい。
早く用件を言ってくれ、お願いだから。


「悪いけど私、小山くんと付き合う事になったから」


―――――――――――

・・・まさか、あんな事になるなんて。
私は家のドアを開けた、重い足を動かして部屋まで行った。

なにこれ、夢なら覚めろ。

やっと部屋の前まで着いた、ドアを開けていつも通りカバンをベッドに放り投げた。
うっわぁ・・・これからの人生、どうしたら良いんだろう。

憂鬱すぎて話にもならないわ。

―――――――――――


「―――――は?」


耳をふさぎたくなった。
私は聞き返してしまった。

「だから、私は小山くんの彼女なの」

「聞こえてる、てか何でそれをわざわざ私に教えるわけ?」

私は頭を抑えた、頭痛がする。

「嫉妬するかなぁーって」

あーもー、無駄に頭痛がしてきた。
この人、本当に鬱陶しい。

一馬が別れたがったのが身にしみて分かる。

「なんでそう思う?」

「私、あなたと小山くんの関係知ってるよ」

「は?関係?なにそれ」

「とっても仲良しな幼馴染だってね」

『とっても仲良し』ってところだけ頭に響く、嫌味ですか。

「それと、二人が付き合ってたって事もね?」