なぜか緊張しすぎてさっきから不自然な言葉ばかり出てくる。
本当はもっと、リラックスして、正直に話したいのに。

心は熱くなって、モジモジしてきちゃった。

「あの・・・言いたいことっつーのは・・・」





トクントクントクントクン





「っ・・・!」

「言いたいこと・・・?」

こんなにも心臓が高速スピードで回転するなんて・・・
私の人生史上であったこともない、かも。

手が、震えてきた・・・。



「梓ちゃん」



「っえ」

急に自分の名前を呼ばれて我に返った。

蓮くんが私に近づいて来る。
心臓速度、急激に増してきた。

「・・・ごめんね、こんな震えるまでに緊張させて」



ギュ



「っ!!」

蓮くんの手が私の手を覆う。
・・・温かい。

「ぇ、ちょ・・・」

「で、話って?」

こ、この方が落ち着いてられないよっ!!
バクンバクンと心臓から爆発音が聞こえる。

「ぇ、あ、話は・・・」

これは、言うしかない・・・かも。

ここらへんでそろそろ覚悟を決めないと、きりがない。
私は何回も、何回も、今日の一馬みたいに深呼吸をした。

スー・・・ハー・・・

「・・・蓮くん」

「ん?」

一瞬で言い終わらせよう。
そうだ、たったの二文字だ。

どうってことはない。

「私は・・・」