信じてた力が、やっと叶った。



「蓮くん・・・っ!」



君の名前だけを叫んでいて。
必死で君の元へ駆け寄った。

「・・・梓ちゃん?」

光のなかに、努力があった。


 小指心
  君の元へ


お試し六日目。
相変わらず私は蓮くんと目を合わせれない。

「えー、ここのXは一体どうなるか。分かる奴いるかー?」

様乃が小声で話しかけてくる。

「こんなん分かるのっているのか?絶対に私ぐらいだよ」

「私、分かる」

「マジ?!」

これ、この前蓮くんと居残りした時練習した。
・・・甘い思い出が蘇る。

しかも二回もリピートさせて想像してしまった。

「それじゃあヒント、ここはこうしてYを加えると・・・」

必死に数式を教え込んでいる先生を気にせず、私は廊下の方に目をやった。

「・・・ぁ」

あの髪―――、淡い栗色。
風に軽くなびく、柔らかそうな感じ。



蓮くんの髪色だ。



「(目で追ってる)」

「!(梓ちゃんだ)」

「っ!(目が合った!)」

「あっ(そらされちゃった・・・)」

「・・・っ///(目、そらしちゃった)」

ヤッベ、目が合っただけでこんなに心臓が鳴るなんて。
顔も熱いし。


つんつん


「?」

「どうかした?」

様乃が耳元で聞く。
どうもこうも・・・目が、目がぁ・・・!

「な、んでもな―――――」



「よし、そこで話してる信条に答えてもらおうか」



なんでこういう時に限って私なんだ。

私は席を立つ。

「・・・はい」

様乃は私にウインクする、だから本当に答えられるんだって。
まぁ・・・本当に合ってるかどうか。