光に当たると、枯れて溶け逝く僕の躰。最初はなぜこうなったのか分からなかった。
それ故、悲劇のヒロインみたいに思ったこともあった。

だが、原因は僕が弱いからいけないのだ。強ければ、もっとまともだったなら、こうはならなかっただろう。
けれど、僕は強くなれなかった。
世界が明るすぎて、耐えられないからだ。
押し潰されそうな光の世界には耐えられなかった。
だが、それは違った。耐えられなかったのではなく、耐えなかったのだ。
今更気付いたとこで、もはや手遅れなのは分かっていた。

だからこそ、もうこんな体など、彼女の為ならどうなってもいい。
そして、僕に対する贖罪でもあるのだ。あの時守れずに見捨てた、僕に対する贖罪。

そう思って、太陽に焼かれながら僕はここまで走ってきた。



ようやく僕は、少しだけ強くなれた気がした。

そう思うと、なぜか安らげる気持ちになった。