「紗都…あたし一ノ瀬君に好きだって言ったんだ…」
「…知ってる。一ノ瀬君から全部聞いたよ、岡崎の事も」
紗都は目線を落としたまま言う。
一ノ瀬君、あたしが告白した事紗都に言ったんだ…?
「一ノ瀬君、何か言ってた?」
「……応えてやれなかったって」
「………ごめんね、心配かけて」
「何で謝んの?ってか言ってよ!あたしに迷惑かかるとか思わないで?」
「紗都…」
「あたし達、友達じゃん!!どんな事でもマコの力になりたいし、支えになりたい!!」
あたしの目を真っ直ぐ見て言う紗都の気持ちが胸の奥まで伝わってきて、嬉しくて、涙で視界がぼやけた。
「ん……ありが…と…紗都」
「ココア、冷めるよ?」
紗都はあたしにマグを持たせ、優しく微笑んだ。
あたしは涙を拭い、ココアを一口飲んだ。

