自転車はあたしの家の前で止まった。 紗都は玄関を開けると、 「ただいまぁ!!」 と言って入った。 「あらぁ!紗都ちゃん!!いらっしゃい♪」 リビングからお母さんが顔を出して歓迎する。 「相変わらず綺麗ねぇ~」 「そんなぁ~、ママさんの方がお綺麗ですよぉ~!」 なんて話している二人を置いて、あたしは自室がある二階へ上がった。 壁に掛かっている鏡に写る自分の顔を見て驚く。 瞼はこれでもかってくらいに腫れ、頬はまだ少し赤かった。 ……酷過ぎる。