「いい?行くよ?」 「うん」 あたしが自転車の荷台に乗ると紗都はペダルを漕ぎ始めた。 「紗都、ありがとう…」 あたしは紗都の背中に頭を付けて言った。 「えっ?何だって?」 紗都は聞こえないフリをして聞き返す。 「ありがとう!!」 「聞こえなぁい!!」 「あ~り~が~と~う~!!!」 あたしは思いっきり叫んだ。 紗都はクスクス笑った。