SUMMER TIME LOVE


「………。」



あたしは彼の言葉を待った。



でも一ノ瀬君は何も言わなかった。



言ってくれなかった。



ただ…
あの切なく、悲しい瞳をしていた。




「っ…ごめっ…!」



あたしはそこに居ることができなくて、走り出した。


どこかなんて考えてない。



とにかくひたすら走った。