何なのよって言われても… 「別に…なんでもない…けど…」 そう答えるしかなかった。 「何でもないのに抱き合ったりするんだ?」 「えっ?」 抱き合う? それって… 「見たんだよねぇ、昨日」 眉を寄せて睨む岡崎さん。 「あ…あれは…別に…」 「別に何よ?」 確かに抱きしめられたけど、一ノ瀬君はあの時あたしを抱きしめた訳じゃない気がした。 なんて言ったところで収まりそうもないね… 「この前の昼休みも二人でいなくなって帰って来なかったしさぁ」 「………」 あたしは黙ってしまった。