SUMMER TIME LOVE


何なのよって言われても…



「別に…なんでもない…けど…」



そう答えるしかなかった。



「何でもないのに抱き合ったりするんだ?」



「えっ?」



抱き合う?


それって…



「見たんだよねぇ、昨日」



眉を寄せて睨む岡崎さん。



「あ…あれは…別に…」



「別に何よ?」



確かに抱きしめられたけど、一ノ瀬君はあの時あたしを抱きしめた訳じゃない気がした。


なんて言ったところで収まりそうもないね…



「この前の昼休みも二人でいなくなって帰って来なかったしさぁ」



「………」



あたしは黙ってしまった。