「はぁ…はぁ…」


追いかけてきたらどうしよう!!

いくら怖かったとはいえあんな事をしてしまったから怒らせて何かされたらホント怖いっ!



家の前まで来た時、息を切らしながら恐る恐る振り返ってみたけど追いかけてくる様子はない。



「はぁ~…何なのアイツ…」



最初にアイツの瞳を見た瞬間のドキドキと、抱きしめられた驚き、走ってきたドキドキが色々混じってあたしの心臓が壊れそうなくらい動いている。



何とか気持ちを落ち着かせようと数回深呼吸をして息を整えた。


とりあえず無事でよかったぁ…


ふとナナを見ると、ナナは何事もなかった様にしっぽを振りながらあたしを見上げていた。



『もう!!ナナ!!』


って言おうと思ったけど、リードを離しちゃったのはあたしだし今更ナナを叱っても意味がないと思ってやめた。




「ごめん、ごめん…おうち入ろっか…」



あたしはナナを連れて家の中に入った。