夕方、あたしはナナと散歩に行こうと家を出た。 夏休み最後の日、初めて一ノ瀬君と会った時も夕焼けで街がオレンジ色に染まってたっけ… そしてその公園に入ってみる。 あの日の様に子供達が数人遊んでいたけど、あの木の陰には当然彼の姿はなかった。 いる訳ないよね…… 何を期待してるんだろうと一人で笑う。 でも… ここに一ノ瀬君がいたって事はこの辺りに住んでたりするのかな? って…あたし一ノ瀬君の事ばかり考えてるよ… ……会いたい… 「ナナ、行こっ」 あたしはナナを連れて公園を出た。