ドサッという音と共に砂ぼこりが舞った。
いったぁ……くない?
あれ?
パチッと目を開けると一ノ瀬君の顔があたしの顔のすぐ下にあった。
ち…ちち…近いぃっ!!
パッと離そうとしたけど体が動かない。
一ノ瀬君はあたしをギュッと抱きしめていた。
本当に…
受け止めてくれた…の…?
「…っぶねぇ…」
一ノ瀬君は溜め息を吐くと安心したようにあたしの頭を撫でた。
ドキンッ…
あたしの心拍数は急上昇。
自分の顔が熱くなるのが分かった。
「…お前、重い」
直後、この言葉で心拍数が低下したのは言うまでもない。
「ごっ…ごめんなさいぃ!!」
あたしはガバッと彼の上から退いた。
「いや、オレが悪い…ごめん」
一ノ瀬君は立ち上がり、制服に付いた砂を払うと、あたしの制服に付いた砂も払ってくれた。

