SUMMER TIME LOVE


あたし達は校舎裏から体育館裏に回った。



こんな所で一体何するの!?!?



軽くパニックになりそうになるのを抑えながら黙って付いて行った。



「コレ、越えるぞ」



は?



一ノ瀬君が言う“コレ”とは学校裏を囲うフェンスの事。


フェンスはあたしよりもちょっと高いくらいの高さ。



いやいやいや、無理っしょ。



いくらなんでも…
そんな事…



「普通に校門から出ようよ…」


思いっきり嫌そうな顔をしたあたしなんか無視して彼はフェンスに足を掛けて登り始めた。



マジで!?


あたしの意見は無視!?



一ノ瀬君はヒョイっと軽く越えるとおいでおいでをした。



っていうか…!



今なら逃げられるチャンスじゃない?



「逃げるなんて考えるなよ?」


あたしの考えなんてお見通しですか。