「うん、いいよ!!」



断って!!

って目で紗都に訴えたけど、そんなの思いっきりスルー。



「でもちゃんと返してね?」



なにそのくだり。


あたしは物かいっ!!



「あー、それは無理かもなぁ…」



しかも無理って!?



紗都はアハハって笑い、手をヒラヒラさせて行ってしまった。



「ちょっ…紗都ぉ…」



置いていかないでよぉ!!



紗都の背中を追いかけたかったけど生憎あたしの腕は一ノ瀬君にガッチリと捕まれていた。



「真琴はこっち」



一ノ瀬君は学食とは反対の方向に歩き出した。



ほんっと毎回毎回強引な奴っ!!


あたしの腕を掴んでいた一ノ瀬君の手は、いつの間にかあたしの手を握っていた。



トクンッ…



ここ学校なんだってばっ…



あたしは赤いであろう顔を隠すように俯きながら彼に付いて行った。