「気分はどう?気持ち悪くない?」
「少し頭が痛いですけど、大丈夫です…」
「そう、ならよかった。体育で頭にボールが当たってね、軽い脳震盪を起こしたのよ」
脳震盪……
マヌケだな…あたし。
「救急車を呼ぼうか迷ったんだけど…」
救急車!?
そんな大袈裟にしないで欲しい!!
「いや!全然大丈夫です!!」
あたしは手を横にブンブン振った。
「ふふ…みたいね…とりあえず気分悪くなったら病院へ行きなさいね?」
「はい…ありがとうございました」
先生がカーテンを閉めたのを見計らい、紗都が「ちょっとちょっと」と顔を近づけて来た。

