体育館ではもう既に男子がバレーの試合をしていた。
その中には一ノ瀬君の姿もあり、彼がアタックして点を決める度に女子が黄色い声を上げている。
「あの容姿で運動神経もいいなんて…これで勉強もできたら嫌いだな」
紗都の変な褒め方に苦笑していると、嫌な視線を感じた。
岡崎さん達のニヤニヤした顔があたしに向けられている。
「ねぇ…マコの体操着さ…」
「紗都!」
あたしは紗都の言葉を遮った。
紗都が言おうとしてる事は判った。
あたしも更衣室での岡崎さん達の態度で、もしかしたら…って思ったから。
でも証拠がないし。
単にあたしが家に忘れてきたのかもしれない。

