「マコ!!昨日の放課後一ノ瀬君とどこかに消えたんだって?」


朝教室に入った途端、紗都はあたしに腕を絡め興奮気味に聞いてくる。



消えた?


消えた覚えなんてないけど…そんな何かイヤらしい表現やめて欲しいわ。


それに思い出したくもない。



“つまんねぇの”



そう言われた事、結構傷ついちゃってるしね~。



「別に…すぐ帰ったけど…」



別に隠す事じゃないけど、からかわれたって言うのもシャクだしね…



「ふ~ん…」



紗都は怪しいとでも言いたげな目であたしを見る。



「そんな、紗都が期待してる様な事なんて何もないって!」



本当に何もないし。



「なぁんだ…つまんないの」



紗都は頬をプクッと膨らませ、口を尖らせながらあたしの腕を離した。



ここでもつまんないって言われちゃう?
あたし…。



つまんないって何?



みんな何がおもしろいの!?



あたしってやっぱりつまんない女なのっ!?